法然上人 一刀十念御自作座像(西福寺御影堂御本尊)
【令和7年7月】
『風が吹く 佛来たもう 気配有り』(高浜虚子)
ムシムシした梅雨の暑さにグッタリして、梅雨明けが恋しい毎日です。
6月の異名は「水無月」と言いますが、なぜ水無月かと言うのは、旧暦の6月は夏の盛りで、水も涸れ尽きるから「水無月」。田に水を引く月なので、水の月と言う意味で「水な月」。農作業をみんなやり尽くした「皆し尽き」。雷が多いことから「かみなり月」の「みなづき」等、諸説あるようです。蒸し暑い日が続くと、風を恋しく思い、ほんのささやかな風にも喜びを感じます。
西福寺のお浄土を表顕した庭園に降り立つと、ソヨと吹く風に思わず、お浄土の梵風(ぼんぷう・罪深い迷いの心を吹き清めて頂ける風)、お念佛の風を感じさせて頂けます。
『風が吹く 佛来たもう 気配有り』
この月は、心が敏感になっているステキな証かもしれません。
『風待月』と言う美しい呼び名もこの時期です。
南から吹いてくる夏の風(季節風)を『南風(はえ)』と言います。
梅雨入りの頃に吹く風は『黒南風(くろはえ)』。梅雨の半ばに吹く風『荒南風(あらはえ)』。梅雨の終わり頃に吹く風は『白南風(しろはえ)』。青葉の上を吹き渡っていく爽やかな風は『緑風(りょくふう)』。やや強い風を『青嵐(せいらん)』。色々な色で表現されますが、本来風に色は無いはずです。色無き風、風の吹く様子は見えないけれど、風鈴の音は、風を感じるように、日によって移り変わる様々な風の色を感じて、毎日ワクワクしながら楽しく生きたいですね。
無常の風が何時吹くかも判らないのも此の世の理(ことわり)です。お念佛生活の中に生かされている風を感じて、日々を力強く生き生かさせていただきましょう。
さて、今日の風は何色でしょうか。
2025年7月1日
二橋 信玄 (大原山西福寺 第51世)
※【今月の言葉】の表題を【今月の説法獅子吼(せっぽう ししく)】に変更します。






