
法然上人 一刀十念御自作座像(西福寺御影堂御本尊)
【令和7年5月】
「和顔愛語」
『和顔』とは柔和な顔つき、穏やかな表情のことで、『愛語』とは愛情のこもった言葉、優しいことば遣いのことです。
穏やかな表情と優しい言葉遣いで人に接することは大切です。笑顔と愛情のこもった言葉で人に接することで、相手の心を和ませ、お互い良好な人間関係を築くことが出来ます。
この『和顔愛語』は、布施(無財の七施)と言う佛道修行の一環であり、誰でも出来る慈悲の心、思いやりの心を育てる修行でもあります。
笑顔の人は周囲を明るくし、笑顔の人が集まってきます。お釈迦様は、とても大事な善行として、日常生活の中で、実践しなさいと勧められました。
単に言葉遣いだけでなく、相手の気持ちを察し、思いやりの心をもって接することで、日常生活の中で、家庭や職場、学校など様々な場面で実践できる教えです。
優しい言葉をかけようとしなければ、出てくるのは悪口ばかり。振り返ったら、誰にも優しい言葉をかけずに悪口や愚痴で1日が終わっていることもあります。しっかりと自らを反省懺悔し、和顔愛語の人生を手に入れましょう。
北原白秋の『ひとつの言葉』に
一つの言葉でケンカして 一つの言葉で仲直り
一つの言葉で頭が下がり 一つの言葉で 心が痛む
一つの言葉で 楽しく笑い 一つの言葉で 泣かされる
一つの言葉はそれぞれに 一つの心を持っている
きれいな言葉は きれいな心 優しい言葉は 優しい心
一つの言葉を大切に 一つの言葉を 美しく
『 和顔愛語』を実践することで、自分も相手も幸せになり、周囲の人々の心も必ず明るくなります。
2025年5月1日
二橋 信玄 (大原山西福寺 第51世)
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「 大永(だいえい)の御忌(ぎょき)鳳(ほう)詔(しょう)下賜(かし)五百年)」
「罪は十悪五逆の者も、生ると信じて、 小罪をも、犯さじと思うべし 」